支部長挨拶
日本農芸化学会中四国支部会員の皆様
2025年5月28日
日本農芸化学会中四国支部の支部長を拝命しました、鳥取大学農学部の石原亨です。愛媛大学の山内聡先生の後任として、2025年5月から2027年5月までの2年間、微力ながら務めさせていただきます。2026年度には創立25周年を迎え、これを記念する事業も多く予定されています。これらを円滑に進めるためにも精一杯努めたいと思います。
このたび支部長という大役を仰せつかるにあたり、あらためて本学会支部の果たすべき役割について考えてみました。農芸化学会には本大会もございますし、ほとんどの会員の皆様は別の学会でもご活躍されています。そのような中で、本支部はどのような役割を果たすべきなのでしょうか。
まず挙げられるのが、会員相互の交流の場としての役割です。本支部は、年3回の講演会に加え、市民フォーラムや若手シンポジウムを主催するなど、活発に活動しています。そのため、多くの会員が顔見知りとなり、心理的な距離が随分と近くなっています。結果として共同研究や教育に関する情報交換が活発に行われ、新たな研究の芽が育まれてきました。私自身も中四国支部の先生方には、さまざまな場面でお世話になってまいりました。
教育面でも、支部活動は大きな意義を持ちます。遠方で開催される本大会と比較して、近隣県で開催されややカジュアルに参加できる支部講演会は、研究を始めたばかりの学生にはうってつけの発表の場となっています。自ら発表するだけでなく他大学の学生の講演を目の当たりにすることでも多く刺激を受けることでしょう。支部大会での優秀発表賞や支部奨励賞(学生部門)も学生のモチベーション向上に大いに寄与しています。
中四国地域で活躍されている研究者の皆様には、このように会員どうしの顔の見える学会として支部活動をますます積極的にご活用いただきたいと考えております。一方で、今後取り組むべき課題も有りそうです。
農芸化学という学問の性質から、研究成果は地域の産業の活性化に役立つことが期待されます。もちろん実際に活用されている成果も数多くありますが、地域産業への貢献はまだまだ十分と言えない面があります。さらに、産業界の研究者の皆様にもより一層ご活躍いただきたいと感じております。講演会への参加や情報交換会を通して学生を含む幅広い会員との交流などにも活用していただきたく思います。また、これから大学に進学する高校生や、研究対象を決めあぐねている大学1・2年生に農芸化学の面白さを伝えるアウトリーチ活動も重要性を増しています。さらに、もう一つ加えると、中四国地域で学んでいる世界各国からの留学生にとっても魅力ある学会づくりを進めていきたいと考えています。
このように、これまでに培ってきた活発な支部活動を継承しつつ、会員の皆様に有益な学会運営を目指してまいります。そのためには、会員の皆様からのご意見が重要です。お気づきの点がありましたら遠慮なくお知らせください。学会活動の改善に活かしてまいります。
引き続き、日本農芸化学会中四国支部の活動へのご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。
日本農芸化学会中四国支部 支部長 石原 亨